謹賀新年。コロナは(将棋に例えると)中盤の入口あたりでしょうか。形勢はまだはっきりとしませんね。

戦法で迷われている初級者には振り飛車をおすすめしています。居飛車は対抗形の他にも、矢倉や角換わり、相掛かりなど、間口が広く、覚えることが多い。対して振り飛車の駒組みは比較的易しい。やはり序盤は無難に乗り切りたいですからね。

角道を止め、飛車を振るのに一手かけるから、守勢はやむを得ません。心の拠りどころは美濃囲いの堅陣。相手の出方をじっくりと見ながら戦いに備えましょう。

近年は角道を止めない「攻める振り飛車」も増えました。ここでは昔からあるオーソドックスな振り飛車に限り、基本的な考え方を紹介します。定跡を詳しく覚えることよりも、一局の大まかな流れをつかむこと、序盤から多少押されても大らかな気持ちで指すことを心掛けてください。

振り飛車は江戸時代、現存する最古の棋譜でも指されました。歴史と伝統に誇りを持ち、自由に楽しく指しましょう。

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藤井聡太フィーバーの頃、「将棋めし」がマスコミで大きく取り上げられた。対局の合間の食事(栄養補給)も勝負のうちと。

東京・千駄ヶ谷の将棋会館は、将棋の総本山。道場やイベントにぜひ一度は訪れたい。隣の鳩森八幡神社で棋力向上を祈願し、将棋めしの名店で「推し」の推しメニューを味わえば、香車一本強くなるでしょう。

いわゆる「聖地巡礼」。将棋駒でおなじみの山形県天童市。大山十五世名人ゆかりの岡山県倉敷市。全国にはタイトル戦でおなじみの名局の宿……。旅情をかき立てられますね。

棋は対話なり。初対面(初手合)の人と一局指し終えた後、お互いの感性や人柄が分かり合えたように思える。対局を通じて、長時間話したりするよりもずっと相手のことが理解できた気がすることも。

年齢や経歴などにとらわれないフラットな付き合いができる。新たに人や世代、地域との交流が図れる。一生付き合える趣味として、これからの人生をより楽しく豊かなものにしてください。

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好きなときに気軽に将棋が指せる場所。将棋道場は、かつては都心なら山手線のほぼ各駅にあったとか。今ではインターネットで四六時中、世界中の人と対局できるようになった。それでもやはり対面して切った張ったの勝負をするからこその楽しさも確かに存在します。

昔の道場はたばこの煙がもうもう。場末感が満載で人間ウォッチングには事欠かなかった。まずはおじさんたちの好奇の目を凌がなくてはなりません。

今は禁煙や分煙がほとんど。敷居はかなり低くなりました。初心者や女性、子供が通いやすいよう、勝負より交流に重きを置いているところ、初級者向けの「緩い」大会を併設しているところもあります。自分に似た境遇の棋友を見つけるには好手でしょう。まずは勇気を出して最初の一歩を踏み出してください。

子供ならではの振る舞いや早指しに翻弄され、原始棒銀であっという間に吹っ飛ばされるかもしれません。まあ誰でも最初はそんなもの。棒銀は嫌いでも、将棋は嫌いにならないでください。

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「推し」とさらにつながるには。指導対局で手ほどきを受け、「棋」のコミュニケーションを図りましょう。多くの棋士はホスピタリティに長けています。総じて女性には優しく、きっと神業の如く緩めてくれるでしょう。

希望する手合いを自由に選ぶことができます。初段を目指す人には(8枚や6枚落ちよりも)4枚か2枚落ちがお勧め。大まかな定跡は当レッスンでお教えします。

△6二銀▲7六歩△5四歩▲4六歩△5三銀▲4五歩まで進めば、(この人は勉強しているな)と認められ、その後の進行もスムーズでしょう。ポカや悪手は棋士がそっと指摘してくれる。もちろん指し直して構いません。

慣れるまでは大変でしょうが、ぜひとも棋譜取りを。手書きもよし、スマートフォンの対局ソフト(「ぴよ将棋」など)を使うのも好手かと。感想戦のアドバイスやそのときに感じたことなどもメモに残しておきましょう。

先日私も初めて受けた頃の棋譜を並べてみました。昔の自分と会ったような、懐かしい気持ちになりました。

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(コロナのことはさておき…)

「推し」についての興味を深めるために、いざイベントへ出掛けましょう。デパートなどで数日にわたって開かれる「将棋まつり」は、近年めっきり少なくなりました。一方で、棋士やそのグループが主催する中小規模のイベントが数多く催されています。

トークショーやサイン会、懇親会など、初級者でも気軽に参加できるように工夫されている。棋士とファンとの距離は極めて近い。「会いに行ける棋士」。どこぞの地下アイドルみたいですね(笑)。

タイトル戦などの大きな対局では、大盤解説会が行われます。会場で生の解説を見聞きするのも一興でしょう。SNS用の写真撮影はほどほどに、棋譜を取り、ふとしたこぼれ話や上達に役立つヒントなどをメモしておけば、後で読み返したとき、新たな気づきにつながるかもしれません。

推しに会い、その人柄に触れる。現地で同好の士とつながる。その他思い掛けないさまざまな体験ができるのも、「ライブ」ならではの楽しさでしょう。

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