対局中にしていること。まあ指し手を考えている訳だが、およそ次の三つでしょうか。

〜杁している
評価している
M渋している

それぞれ見ていきます。

〜杁している
知っていることを、過去の記憶を思い出す。序盤の定跡が最たるものでしょう。手筋や格言のありがたさ。知識として、将棋400年の先人の英知を活かさない手はありません。

評価している
形勢判断。現在の状況を明らかにする。中盤では大局観や急所のとらえ方など、直感やイメージに導かれるものも。対局や棋譜並べなど、経験を重ねることで精度が磨かれます。

M渋している
手を読む。未来の推量です。「こうやる、こう来る、そこでこう指す」は三手の読み。終盤では終局に近づくほど、計算の度合が増してくる。詰将棋や必至問題で練習しましょう。

上の三つは別々ではなく、同時並行的に複合的に行われている。突然いい手が「ひらめく!」際のプロセスやメカニズムも、おそらくはそういうことなのでしょう。


あなたは対局中、誰と戦っているのか。目の前の相手に決まっているだろう。本当にそうでしょうか。

あなたが3級だとして、3級の相手と指しているとする。まあいい勝負でしょう。次に初段の人と指すとしたら。なかなか厳しい手が返ってきます。このとき、あなたが指した手に違いはあったか。どちらもあなたなりの読みで指し手を進めたはずです。

つまりあなたはあなたと指している。あなた自身と戦っているのです。あなたの予測より優れた手を指されるから、あなたは負ける。予測より劣った手が続けば、あなたが勝つ。たとえ羽生さんと対局するとしても、あなたが「あなたの読み筋としての相手(=あなた自身)」と戦うことに変わりはないのです。

その羽生さんは、終局後「どの辺りで勝ちを意識されましたか」と問われると、「最後の詰みが見えたとき」などと、最終盤まで難しかったと答えることが多い。強い人ほど楽観しない。疑い深い。きっと頭の中で「羽生対羽生」が戦っているからでしょう。


自分より少し強い人と指す。上達法の一つとしてしばしば耳にします。手筋や大局観が身につく。何とか負かしたいと向上心に火がつく。

将棋には感想戦という美しいしきたりがあります。(指導対局に代表されるように)今指した将棋を振り返り、強い人の読み筋や、局面や急所のとらえ方を知る。相手の発想や思考を「言葉として」聞くことで、より深い理解が得られるでしょう。

首尾よく一番入れば、やる気も一層湧いてくる。やはり勝つ喜び(成功体験)が自信となり、次のモチベーションへとつながります。毎度毎度コテンパンに負かされてばかりでは、心が折れてしまいますからね。

強い人に途中まで互角で指してもらい、最後に勝たせてもらえれば理想的。それって、当レッスンのメソドそのものなんですけど(笑)。この役目もやがてはAIに取って代わられてしまうのかな。


子供の上達が早いのは。頭が柔らかいから? 実戦をバンバン指すから? どちらも一理あるでしょう。私は「将棋の本を読むから」と思っています。自分の子供の頃がそうでした。最初に読んだのは、原田泰夫九段の『将棋を始める人のために』。同姓に親しみを覚えました。小学生が読めない漢字もたくさんあったでしょうに(笑)。

アマチュア時代、一人本を読んで勉強したことで知られる藤井猛九段。(棋書に限らず)本を読むことの効用についても言及されています。いわく、

「将棋の読みは言葉です。手を読むのは頭の中で駒がUFOみたいに飛ぶわけじゃなくて、言葉で考えているんですよ。だから言葉が重要になる。僕の場合は読書したあとは手がよく読める。将棋と読書は脳の使う場所が似ているんでしょう」(『イメージと読みの将棋観2』(鈴木宏彦著))

「読みは言葉」。ここに上達の大きなヒントが隠されているようです。考察を次回以降も。


本格始動の年。まあ、焦らず、慌てず、諦めずの3Aでやっていきます。第一義はレッスンの創意工夫。「ワン・トゥ・ワン メソド」なるものの確立でしょうか。上達の善循環を作り出す。「楽しい!」の連鎖が不可欠です。

「PDCAサイクル」(Plan−Do−Check−Action。マネジメントのコツ)に倣い、「WDTMサイクル(造語)」を回していくのはどうか。すなわち「わかった−できた−楽しい!−もっと(知りたい)」のスパイラルです。そのためにも、コミュニケーション能力や観察力、洞察力を高めなくてはなりません。

レッスンにおける「言語化」を磨き、セオリーやハウツーに仕立てる。受講者の小さな変化(進歩)に気づき、学びの実感を通じて、モチベーションの向上につなげる。まずは髪型を、服装を、ネイルをほめることからでしょうか(笑)。


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